ページ内を移動するリンクです。

本文ここから

16.神々しい大パノラマ

くっきり姿を現した立山連峰を布橋から望む。朱色の欄干、青空のコントラストが美しい

◆芦峅寺は立山のふもとに位置し、かつて全国から集まった信者を泊める宿坊が軒を連ねた。今、ひっそりと歴史が息づく師走の里を巡った。◆

 立山信仰の里・立山町芦峅寺。集落の外れ、姥堂(うばどう)川にかかる布橋を訪ねたのは、例年より早い初雪がいったん解けたころだった。

 厚い雲がゆっくり流れ、雄山を主峰とする山塊が姿を現した。白銀の峰々が青空に映える。

 朱色の欄干が鮮やかな布橋は、立山信仰の儀式の一つ「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ)」の舞台。この世とあの世を結ぶ橋とされ、江戸時代には立山登拝を許されなかった女性が目隠し、白装束姿で橋を渡って極楽浄土を願った。

 姥堂川のせせらぎだけが聞こえる。やがて女性二人が現れ、竹ぼうきで橋の枯れ葉を掃き始めた。手を休めた女性が、山に目をやる。「久しぶりにすっきり立山が見える。心が洗われます」

ページの先頭へ移動