ページ内を移動するリンクです。

本文ここから

43.鋭気養う天涯の湯

43.鋭気養う天涯の湯

天涯の湯に漬かり、疲れを癒やす砂防工事の従事者たち=立山カルデラ

 午後五時すぎ。天然石に囲まれた露天風呂に、砂防工事を終えた男たちの楽しげな声が響く。目前には赤茶けた地面をむき出しにした山並み。白岩砂防堰堤(えんてい)近くにある「天涯の湯」は、立山カルデラに長期滞在し、富山平野を守る人たちのオアシスとなっている。

 開湯は昭和六十年。砂防工事を請け負う土木業者が本業の合間に作り上げた。一キロ上流の湯川の河原が湯元。七〇度の湯がホースを伝ううち、程よい湯加減になる。

 作業員たちは宿舎から車に乗り合わせて来る。カルデラで働き十一年目になる荒木忠夫さん(58)もその一人。「湯に入り仲間と語っていると疲れも吹き飛びます」。立山の恵みで鋭気を養い、山との闘いが続く。
=おわり


(この連載は写真部・小池宏、浜屋潔、草東良平記者が担当しました)

ページの先頭へ移動