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11.脳死臓器提供シミュレーション

11.脳死臓器提供シミュレーション

病院や県警、消防などが脳死臓器提供の際の連携体制を確認したシミュレーション=富山市民病院

 摘出・搬送の連携確認

 脳死での臓器提供にかかわる県内の病院や県警、消防などでつくる連絡会議が今月七日、提供の意思表示から臓器摘出後までのシミュレーションを初めて行った。県内で臓器提供が行われたのは平成十八年三月の一例にとどまっているものの、近年、病院で提供の意思を示す事例が相次いでおり、実現する可能性が高まっている。関係者全員が手順や連携体制を確認し、提供の申し出に備える必要がある。

 平成九年十月に臓器移植法が施行され、心臓停止後の腎臓と角膜の移植に加え、脳死からの心臓、肝臓などの移植ができるようになった。脳死での提供は、本人の書面による生前の意思表示と家族の承諾が必要になる。

 連絡会議は県内の脳死臓器提供施設となっている富山大付属、県立中央、富山赤十字、富山市民、厚生連高岡の五病院と、県腎臓バンク、県警、消防などが平成十七年から年一回開いている。

 県内での脳死臓器提供は、十八年三月に県立中央病院で行われた一例のみだが、近年は家族の最終的な承諾が得られなかったなどの理由で提供には至らなかったものの、「本人が臓器提供意思表示カードを持っている」と家族が病院に申し出るケースが相次いでいる。

 全国的にも提供事例は増加傾向にあり、県腎臓バンクは「県内でも提供の可能性が高まっている」とみている。

 連絡会議は、各病院がシミュレーションを行ってから七、八年たつことも踏まえ、十二月七日に富山市民病院で開いた本年度の会合で、シミュレーションを実施。四十八歳男性がくも膜下出血で倒れ、臨床的脳死と判定されたケースを想定し、富山市民病院の医師や看護師らが取り組んだ。

 法的脳死判定時の脳波検査の技術や、摘出した臓器を搬送する消防や富山空港との連絡体制を確認。家族への説明やケアの方法も重視した。今年春、金沢大付属病院が臓器提供者の脳波検査記録を紛失したことを受け、記録書類の保管義務についても話し合った。

 患者の意思を生かし、混乱なく移植を進めるには、関係機関のスムーズな連携が欠かせない。いつ提供の申し出があっても確実に対応できるよう、継続的な取り組みが必要だ。

(新開香織社会部記者)

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