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39.県高次脳機能障害支援センター1年![]() 高次脳機能障害のある人や家族の相談を受ける支援コーディネーター(右)。個人に合わせた支援計画を立てる=富山市下飯野の県高次脳機能障害支援センター 復職サポートに成果
事故や病気で脳が損傷し、注意力や記憶力が低下する高次脳機能障害者を支援する「県高次脳機能障害支援センター」(富山市下飯野)は、開設から一年が経過し、相談者の復職をサポートするなど成果を挙げている。一方、障害の社会的認知度はまだ低く、本人や家族が障害に気付かず、悩みを抱えこんでいるケースは依然として多いとみられる。 高次脳機能障害は、脳出血などの病気や、事故による外傷で脳が損傷することで、感情の起伏が激しくなるなどの症状が出る。外見上、障害が分かりにくいため、周囲の理解を得るのが難しい。 センターは、高次脳機能障害者と家族が安心して地域で暮らせるように医療や福祉、就労、教育などの支援を行う。県が昨年一月、県高志リハビリテーション病院内に開設した。リハビリなど必要な支援計画を相談者と共に考え、病院などに支援をつなぐ。開所から今年二月末までの相談者数は七十五人だった。 相談内容で最も多いのが就労についての悩みだ。相談者の平均年齢が三十九・八歳と若いこともあり、就労の悩みは全相談件数の四割を占めた。中には仕事がうまくできず、いくつもの職場を転々としてきた人もいた。 センターでは相談者に記憶力や注意力の神経心理学検査を実施した上で、一人一人どのような仕事ができて、何が苦手かを見極める。支援コーディネーターがハローワークや採用の面接に同行したり、業務内容で配慮してほしい点を企業側に説明するなど、個人に合わせた支援を行っている。 その結果、二人が復職し、自分で勤め先を見つけた人も一人いた。五人は授産施設で作業を始めた。高次脳機能障害のある本人や家族でつくる脳外傷友の会「高志」の山加代子会長は「就労の問題は、家族会だけでは解決できないことも多かった。センターの支援は心強い」と評価する。 相談者への調査では、受傷から相談までの経過年数が一年以上あった人が50パーセントに上った。センターは「障害と気付かずに、なぜ仕事や生活がうまくいかないのかと悩んでいる人は多い」とみる。今後は地域と連携し、家庭内だけで悩みを抱え込んでいる人たちへの声掛けが求められる。 (新開香織社会部記者) |