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53.高岡の本丸会館取り壊し

53.高岡の本丸会館取り壊し

老朽化が著しい高岡市の本丸会館本館(手前の3階建て)と、別館(右の5階建て)=高岡市本丸町

 活用方法の検討開始

 高岡市は、老朽化が著しい本丸会館(本丸町)の本館と別館を取り壊す方針を決めた。歴史的な建造物として本館の保存を求める市民グループが今月結成されたものの、今のところ方針を変更する予定はない。ただ取り壊し後の活用方法は決まっていないため、市は利用計画の検討を急ぐ。

 本丸会館の本館は昭和九年、北陸電力の前身・高岡電燈の本社ビルとして完成。鉄筋コンクリート三階建ての洋館だ。旧富山大和などを手掛けた清水組(現清水建設)の矢田茂らが設計を担当した。

 昭和三十五年から五十五年までは市役所が入居。三十九年に新館、四十八年に別館を増築している。敷地面積は五千八百平方メートル。現在は新館に急患医療センター、本館に市教育センターや行政書士会、税理士会、別館に連合富山高岡地域協議会などが入る雑居ビルとなっている。

 本館は老朽化が著しく、二階は男子トイレ、三階は女子トイレが使用できない状態。平成十年ごろから五、六回、天井や壁の崩落が続き、補修のたびに百―四百万円の出費を強いられている。三館合計の年間維持費は二千六百万円。

 存続する場合はトイレなどの給排水、屋根防水工事で三千万円以上のコストが掛かるとされる。市は本館と別館を取り壊す方針を決め、十九年度から入居者に対して存続する新館への移動や転居の交渉を行い、了解を得てきた経緯がある。

 「本丸会館とまちづくりの会」が今月十一日に発足し、高岡の歴史と共に歩んできた歴史的建造物として本館の保存を要望。市民から本館の写真や思い出話を寄せてもらい、歴史と価値をPRする計画だ。活用計画や運営手法も検討し、市に提案する。

 橘市長は十二日の記者会見で「惜しむ気持ちは理解できるが、存続には多額の経費が必要。市民全体のコンセンサスがない現状で、存続は難しい」との考えを示した。

 取り壊し後の跡地は当面、駐車場となる可能性が高い。唯一残される新館も老朽化しており、新館内の急患医療センターを将来も現在地に置くか、移転するかを考える必要がある。本丸会館は市中心部のまとまった市有地で、万葉線電停前という好立地にある。市は隣接する市保健センターを含めた今後の利用計画の検討を急いでいる。

(西嶋伸一高岡支社編集部記者)

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