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<5> 私立定員割れ![]() 本年度は9校中7校 4年連続90%未満
一部の教室は既に床板が張られ、校舎の建設工事は八割まで進んでいる。富山市東黒牧に四月開校する片山学園高校。県内初の中高一貫校で、隣接する片山学園中学校の生徒が通うことになる。全日制の私立高では昭和四十八年の新川高校以来、三十五年ぶりの新設となる。同学園の片山浄見理事長(58)は「中高一貫の強みを生かし、国際的に通用する優れた人材を育てたい」と語る。 県内の各私立高も同学園の運営を注目している。県私立中学高校協会長の川原隆平高岡第一学園理事長(70)は「県内は県立進学志向が強い。片山学園は県民に私立高の新たなイメージを与えてほしい」と話す。
競合校の登場にさえ期待感が生まれるのは、私立高にも少子化の波が押し寄せているからだ。平成十九年度は、県内の私立高九校のうち七校が定員割れした。私立全体でみると総定員二千二百九十人に対し、入学者は二千三十四人の88・8パーセントで、四年連続で90パーセントを切った。 各私立高には、これまで県立高と一体で県の高校教育を支えてきた自負がある。川原理事長は「高校再編は私立高も含めた全体的な議論で、公私の均衡ある発展を目指すべきだ」と訴える。 例えば、生徒の受け入れ。団塊ジュニア世代で生徒が急増した昭和六十年代には、県の要請で校舎を増築し、定員を上回る生徒を受け入れてきた。少子化には県立高と同様に定員減で対応するが、私立は各校で経営が異なる独立した存在。四十三校の再編を考える県立高と違い、一校で対応しなければならない。
「アンダースタン、オーケー?」。英語を教える教諭の呼び掛けに、生徒が一斉にうなずいた。富山市願海寺にある富山国際大付属高校。平成四年から設けた国際英語コースの英語授業は、日本語をほとんど使わない。富山女子短大付属高校の名称を改め、男女共学化した際に開設した。英語に力を注ぐカリキュラムに引かれて受験する生徒は多い。 私立高は、公立高に比べ教育カリキュラムなどに制約が少なく、独自の教育方針を打ち出しやすい。県内で初めて中高一貫校を開学する片山学園に限らず、調理科の開設や県大会で絶えず上位に入る部活動など、それぞれに特色を持つ。 ただ、私立関係者の中には、例年そろって同じ日に行っている一般入試やほぼ同額の学費設定など、横並びの現状から脱却を求める声もある。県私学振興会理事長を務め、富山国際大付属高校を運営する富山国際学園の金岡祐一理事長(79)は「少子化がさらに続くことを思えば、競争による私立の淘汰(とうた)は避けられない。教員の質の向上や教育の特色化など今以上の努力が求められる」と話している。 ◇公私比率と充足率◇ 県立高と私立高の生徒受け入れ割合「公私比率」は、県内高校関係者でつくる県公私高校協議会の話し合いで決まる。昭和56年から3年ごとに見直し、20年度から3年間は、県立全日制で現行より0・8ポイント減の70・8パーセント、私立で0・3ポイント減の22・1パーセントとなった。定員に対して実際に入学した生徒の占める割合、充足率は、県立高がほぼ100パーセントで推移するのと対称的に、私立は減少傾向が続いている。 |