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<29 絹ごし豆腐「今小町」> とうふ旬工房(富山市城村)![]() 協力して豆腐を作る藤井さん(左)と妻の道子さん 大豆本来の風味 濃厚
のどかな田園風景の広がる富山市城村にある「とうふ旬工房」。店主の藤井優さん(61)は、毎日午前二時ごろに起床して豆腐を作り始める。厚揚げなどを作る妻の道子さん(57)も午前三時ごろに目覚め、夫と協力して作業を進める。プレハブ造りの小さな製造場からは毎朝、湯気と大豆の香りが漂ってくる。 藤井さんは大手自動車メーカーに設計士として三十八年間勤務してきた。五十歳を過ぎたころ、「会社には六十歳までしかいられない。何か手に職が付けば、体が持つまで仕事を続けられる」と考え始めた。 豆腐職人を志したきっかけは、黒部市の豆腐店を取り上げたテレビ番組だった。店主が楽しそうに思いを込めて豆腐を作る姿を見た藤井さんは黒部市の店を訪ね、店主に弟子入りを申し込んだ。働きながら週一回通い、平成十四年九月に退職した後は二日に一回と回数を増やした。一年四カ月の修業の後、独立を決め、十五年に同工房を開店した。 県内産の大豆を100パーセント使用。十分な量の大豆から濃い豆乳を作る。凝固剤として昔ながらの製法で海水から作った天然のにがりを使い、大豆本来の風味を生かす。舌触りが良く、大豆の濃厚な味が口いっぱいに広がる。 藤井さんの味を求め、富山市内外から客がやってくる。週一回ほど店を訪れる堀野外志子さん(65)=同市城村=は「さすがは手作りの豆腐。藤井さんの豆腐を食べたらほかの豆腐は食べられない」と絶賛する。 藤井さんは「お客さんがおいしいと言ってくれるのが一番うれしい。豆腐を待っていてくれる人のために、これからもおいしい豆腐を作っていきたい」と話す。 メモ 絹ごし豆腐「今小町」は一丁160円。木綿豆腐やくみ豆腐、厚揚げ、がんもなども販売している。定休日は毎週月曜日と毎月第4日曜日。 ▽電話076(491)4835 |