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<32 草楽せんべい> せんべいの田中屋(富山市上冨居)![]() 大法寺のイチョウの葉を摘み取る田中さん(左)と柞野さん イチョウ葉練り込む
穏やかな日射しが差し込む早朝、富山市上冨居の「せんべいの田中屋」代表の田中健一さん(57)は、同市梅沢町の大法寺に向かった。目的は境内にそびえるイチョウの木、樹齢六十年を超える大木だ。次女の夫、柞野英彦さん(30)=同市才覚寺=と一緒に、柔らかなイチョウの若葉を摘み取っていった。 同店は、平成十六年から県産のイチョウの葉や氷見産のハトムギを使った「草楽(そうらく)せんべい」を販売している。ソフトな食感と優しい甘さが好評になっている。 「『くすりの富山』にちなんだせんべいを作りたい」。田中さんの長年の夢だった。ドイツでは「イチョウに認知症防止の効果がある」とされていることを知り、イチョウの葉をせんべいに使うことを思いついた。 アイデアは膨らんだが、イチョウの葉にはかぶれの原因になる成分があることが課題だった。せんべい開発にアドバイスした森田直賢富山医科薬科大学名誉教授に滑川市の製粉会社を紹介してもらい、かぶれ成分を除去することができた。 草楽せんべいには売薬さんをイメージした紙風船をおまけに付けて「くすりの富山」を遊び心たっぷりに演出している。購入者から届いたはがきは約千通。「富山に出張したら必ず買います」などとつづられており、田中さんは大切に保管している。 シロエビやホタルイカなどをそれぞれ練り込んだ「有磯せんべい」や、ゲンゲの「渦巻き幻魚(げんげ)せんべい」も人気だ。「これからも富山の魅力をせんべいに託してアピールしたい」。田中さんの言葉に力がこもった。 メモ 草楽せんべいは、せんべいの田中屋ほか、とやま駅特選館、CiCいきいき館、マリエとやま、富山空港売店などで販売されている。 ▽電話076(451)8066 (25〜32回、中島慎吾、藤田涼子社会部記者、2008年6月20日〜6月27日掲載) |