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<66 押しずし> 志むら乃寿司(魚津市石垣新)

<66 押しずし> 志むら乃寿司(魚津市石垣新)

四角いすしおけに敷いた酢飯の上にサバをまぶし重ねていく従業員

 秘伝の酢飯受け継ぐ

 午前四時半、社長の石崎悦子さん(59)=魚津市石垣新=が県産米の入ったガス炊飯器(二升炊き)約二十台に次々と火を付けていく。一時間ほどすると、従業員が集まってくる。炊き上がったご飯を酢飯にするのは石崎さんの仕事。昨年、しゅうとめの百合枝さん(88)から引き継いだ。

 押しずしは「押せずし」とも言われ、新川地区では昔から冠婚葬祭用に作られていた。素焼きしたサバをほぐして酢飯の間に挟み、上に浅草のりをのせる。押しずしを四層重ねたすしおけに、約三十キロの重しを一時間のせると出来上がり。包丁で切り分けパック詰めする。

 作り方はシンプルだが、酢飯の味付けは秘伝。平成二年に経営を石崎さんに任せた後も、百合枝さんが担当した。酢と砂糖、塩、調味料の加減は勘による手量りでも、絶妙の味に仕上がった。石崎さんは「母が味付けするのを量って記録し、味を受け継ぐことができた」と話す。

 志むら乃寿司(すし)は昭和四十二年、百合枝さんが隣接する実家の料理旅館「志むら乃湯」に来る人たちへの土産として販売したのがきっかけ。押しずしを作る家庭が少なくなっていたことから、懐かしい味として評判を呼び、二年後に会社を設立、六年後には青果市場に卸すようになった。

 納入先は着実に広がり、今では県東部の四十カ所近いスーパーなどで販売されている。県東部で「志むら乃寿司」と言えば、押しずしの代名詞だ。

 披露宴や法事の引き出物として根強い人気があり、土産用の注文も多い。石崎さんは「帰省した人たちが古里の懐かしい味として、注文してくれるのが一番うれしい」と話した。

 メモ 水曜定休日。スーパーは2個、3個入りが中心。発送用真空パックは32個入り3280円まであり、冠婚葬祭用の化粧箱入り(1升)は3450円。行楽、行事用の詰め合わせ弁当も販売。
▽電話0765(22)5397

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