ダム建設秘話紹介 東京で「黒部の太陽」シンポ、笹島さん講演
2009年03月16日 12:10
黒部ダム建設の難工事を振り返ったパネルディスカッション。右奥から白井さん、奥野さん、笹島さん、吉友さん=東京・有楽町の日本外国人記者クラブ
昭和三十一年から七年を費やした黒部ダムの建設をテーマにしたシンポジウム「二十一世紀によみがえる『黒部の太陽』の世界」が十五日、東京・有楽町の日本外国人記者クラブで開かれた。建設に携わった笹島建設会長の笹島信義さん(91)=入善町出身=、元関西電力社員の奥野義雄さん(85)=富山市=らがパネルディスカッションを行い、当時のエピソードを交えて難事業への挑戦を振り返った。
ダム建設は、昭和四十三年に「黒部の太陽」として映画化された。シンポジウムは、舞台化やテレビドラマ化などで黒部の太陽に再び注目が集まっていることから、県が企画。都内などから約百七十人が参加した。
黒部の太陽の主人公のモデルである笹島さんが基調講演した。
ダム建設の「関電トンネル」の掘削で、湧水が噴出する破砕帯に工事が阻まれたことを紹介。「破砕帯突破は命懸けでやった結果。建設事業に長く携わっているが、みんながあんなに一心同体になれたことはない」と語った。
パネルディスカッションでは、笹島さんと奥野さん、旧建設省出身で元県土木部長の白井芳樹さんがパネリストになり、OFFICEよしとも代表の吉友嘉久子さんがコーディネーターを務めた。
奥野さんは、難工事の成功の秘けつに高度な技術の裏付けと関係者の情熱を挙げ「自分たちが成し遂げたと誇りを持っている」と指摘。白井さんは「美しい自然に人々の営みが加わり、他に類を見ない景観になっている。世界文化遺産の価値は十分にある」と、黒部ダムの観光資源としての魅力を強調した。
最後に石井知事があいさつし、ダム建設について「お金や名誉のためでなく、仕事に誇りを持って挑戦した成果」とし、世界的な経済危機に触れ「働く意味が問い直される中、多くの人の心を引きつけている」と話した。
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