枕木腐り軌間広がる 昨年の富山地鉄脱線、運輸安全委が報告書
2009年04月24日 19:15
昨年九月、富山地方鉄道本線の中加積駅(滑川市堀江)の構内で急行電車が脱線した事故について、国土交通省の運輸安全委員会は二十四日、枕木の腐朽が進み、電車通過時にレール幅(軌間)が広がったことが原因とする報告書をまとめた。「線路管理が適切に行われていなかった」と会社の怠慢を指摘した。同社は事故後、脱線地点の枕木や犬くぎを取り替えたほか、全線で枕木の一斉点検を行い、安全を確認。今回の報告書を受け、枕木の検査頻度を増やすなどとした再発防止対策をまとめた。
報告によると、脱線が始まった付近では、線路横断用の踏み板(幅二・五メートル)が枕木や道床を覆っていた。事故後に調べたところ、板の下で枕木七本が腐り、レールを枕木に固定する犬くぎも六本が腐食して破断。ほかに手で簡単に抜ける犬くぎもあった。
軌間は約一メートルだが、安全委は枕木や犬くぎの傷みでレールの固定が緩み、事故車両の通過に伴って軌間が十センチ以上広がり、左の車輪が脱線したとみている。
富山地方鉄道は年一回、軌道検測車で軌間の検測を行っており、平成十九年十月の検測で、脱線地点で測定値が整備基準値を超えている可能性があったが、測定値と整備基準値の比較を行わなかった。同月には枕木の検査もあったが、上を覆っていた踏み板を外さないまま状態を見るなど詳しい点検をしなかった。枕木や犬くぎの点検は三年に一回の頻度で、路線によってばらつきがあった。
今回の報告書を受け、同社は再発防止対策を作成。計画的な検査日程を取り決めるほか、枕木や犬くぎの点検は全線で年一回行い、見えない部分は踏み板を外すなどして詳細に調査。検査結果や整備結果は技術管理者を通じて安全統括管理者に報告するなどとしている。約六百万円かけて新型の検査機も導入した。
同社は「以前の管理体制に不備があった。報告を真摯(しんし)に受け止め、再発防止に努めたい」と話している。
事故は昨年九月三十日夕に富山発宇奈月行きの電車が脱線。乗客約八十人にけがはなかった。
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