外来水草が大量発生 富山県内の河川、駆除追い付かず
2009年11月01日 13:30
オオカナダモの除去作業が進む富岩運河=富山市湊入船町
県内の河川や運河で、外来水草のオオカナダモやコカナダモが大量発生している。最長で2メートル近くに育つため、水面を緑色に染め景観を損ねているだけでなく、ため池の取水パイプをふさいだり、観光遊覧船のスクリューに絡まるといったトラブルも起きている。繁殖力が強いことから根絶やしにするのは困難で、専門家は「在来種の水草を絶滅に追い込むなど、生態系に影響を及ぼす恐れもある」と懸念している。
県中央植物園によると、県内では昭和50年代に黒部市で初めて外来水草が確認された。それ以降、急速に生育範囲を広げている。
高岡市の中心部を流れる千保川では毎年、近隣住民が大量に茂った外来水草を刈り取っている。川を濃い緑色に染めるだけでなく、たばこの吸い殻やペットボトルなどのごみが水草に絡まるためで、放置すると著しく環境を悪化させるという。南砺市森清(福野)の農業用貯水池では、外来水草が取水パイプをたびたび詰まらせている。地元住民は農繁期の4月〜9月まで連日、取水パイプなどに詰まる水草を取り除いているものの、「どれだけ取り除いてもきりがない」と頭を抱える。
外来水草は、観光遊覧船の運航にも影響を及ぼしている。県と富山市が今夏から、同市の富岩運河で運航を始めたソーラー旅客船や電力ボートには、スクリューにオオカナダモが絡むトラブルが多発。除去のために停船を余儀なくされることが少なくない。
航路の確保と景観美化に向け、県と市は7月から、重機を使って水草の刈り取り作業を進めている。県が9月上旬までに除去した水草の総量は約135トン。県による除去費用は約900万円で、県港湾課は「船の運航を続けるには、こまめに除去を繰り返すしかない。根絶やしにする方法はないものか」と話す。
県中央植物園の中田政司主幹研究員は「外来水草は在来種よりも繁殖力が強いため、在来種の生育場所を奪い、絶滅に追い込むことがある」と指摘する。福島県の尾瀬沼や長野県の木崎湖では大量発生した水草が湖全体を覆い、在来の沈水植物をほぼ壊滅させた。庄川や小矢部川でも、コカナダモが、県レッドデータブックの絶滅危惧(きぐ)種に指定されているセキショウモや希少種のクロモに覆い被さるように繁茂している状態が確認されている。
中田主幹研究員は「外来の植物は見た目が美しいものが多く、観賞用に栽培するなど気付かないうちに繁殖を手助けしている場合もある。在来種を守るため、植物や動物をむやみに自然に放さないでほしい」と呼び掛けている。(社会部・湯浅晶子)
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