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クマ出没、今年は最少? 富山県内、ドングリ実り良好

2009年11月10日 12:00

クマ出没、今年は最少? 富山県内、ドングリ実り良好

 今年は県内でクマの出没が少ない。出没件数は10月末までに150件で、県自然保護課によると、統計を取り始めた平成16年以降、最少となる見込みだ。人身被害はなく、捕獲数は15頭と前年同期の半数以下。同課は「ドングリの実が奥山に十分あり、クマの餌が足りているのだろう」とし、冬を前に人里への大量出没の可能性は低いとみている。河川敷の草刈りやカウベルト(牛の放牧地帯)の設置など、クマ対策が一定の効果を挙げているとの見方も出ている。

 県自然保護課は、クマによる人身被害が16件24人を記録した16年から、目撃件数やふん、足跡などの痕跡の数を出没件数としてまとめている。今年は、7月中旬にクマが南砺市福野庁舎にガラスを破って侵入する被害があったものの、これまで最も出没件数が少なかった17年の254件の約6割。最も多かった18年の922件の約6分の1となっている。

 同課によると、今年の県内のブナやミズナラ、コナラの着果は良好で、豊作だった17年に迫るほど。冬眠に備えて餌を探すクマが活発に動く9、10月の出没件数は21件で、17年同期の8件に次いで少ない。

 平野部へのクマ出没の可能性を調べるため、県は昨年から捕獲した10頭に発信器を付け、富山市の有峰などの奥山で放し、行動域を調査している。クマは今年、昨年より奥山にとどまる傾向にあり、人里に近寄る動きは見受けられないという。同課は「十分に餌があるため、クマが人里に大量出没した16年や18年のように平野部にまで行動範囲を広げる必要がないのでは」と説明する。

 今年は秋だけでなく、春夏の出没件数もこれまでより少なかった。暖冬で雪が早く解け、足跡などの痕跡が見つけにくかったことや、建設工事の減少で人が奥山に足を踏み入れる機会が減ったことも原因として考えられるという。

 県は河川敷の草刈りを行うほか、カウベルトを設け、クマを人里に近づけないよう対策を進めている。クマの生態に詳しい富山市ファミリーパークの山本茂行園長は「今年はクマ対策の効果と自然現象が良い形で合わさった。クマの絶対数が減っているわけではないので奥山に入る際には注意してほしい」と話している。(大沢野・大山支局長 田尻秀幸)

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