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  2003.01.12
ペンギンはどこにいるの?
南極に質問148通届く
 本紙朝刊で連載「オーロラの大陸」を執筆し、県内の子どもたちに南極への質問を募集していた第43次南極地域観測隊員の木津暢彦さん(39)=富山市有沢出身=の元へ11日までに、148通の手紙が届いた。内容はオーロラの出現やペンギンの生態、南極での生活など幅広く、小中学生から学校単位で送られたものもあった。昭和基地で手紙を受け取った木津さんは「こんなに多くの便りが届くなんてびっくり」と驚いている。返事は4月中旬に届く。

 質問は南極に住む動植物、地震、天体、気候、隊員の生活など多岐にわたった。主な内容は、ペンギンはどこにいるか▽えさは何か▽オーロラはなぜ出るか▽温暖化は進んでいるか−など。北極と勘違いし「シロクマはいるか」や「1人で寂しくないか」といった子どもらしい質問もあった。

 質問は昨年11月、県内の子どもを対象に本紙朝刊記事で募集。小中学生が中心だが、3歳児の疑問を代筆した親や、思わずペンを取った大人からのものもあった。富山市の西部中、神明小、古沢小、大門町の大門小はまとめて封書で送った。

 最多の33通を送った大門小5年1組は、児童自らが記事を持ち寄り、クラス全員で手紙を出すことを提案。本などを調べ、南極への質問を考えたという。無事着いたことを知り「本当に届いた」「早く返事がほしい」と歓声が上がった。担任の寿盛(ひさもり)望教諭は「この体験が子どもたちの興味の枝葉を広げるきっかけとなれば」と期待する。

届いた148通の手紙を前に笑顔を見せる木津さん
県内の子どもから届いた148通の手紙を前に笑顔を見せる木津さん=昭和基地

 返事には珍しい「昭和基地内郵便局」の消印が押され、1年間の観測を終えて帰還する木津さんら第43次隊員とともに、南極観測船「しらせ」に乗って4月に日本に到着する。

 木津さんは「1カ月以上もかかって、はるばる日本から手紙が届きうれしい。子どもたちの質問には“難問”も多いが、できる限りやさしく答えてあげたい」と話している。


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