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砺波広域圏の動き
←前へ 2003年11月9日(日)付朝刊 次へ→

大字で「利賀村」存続 砺波地域合併協

 福野町など8町村でつくる砺波地域市町村合併協議会(会長・清都井波町長)の第8回会合は8日、井波町の総合文化センターで開き、来年11月1日に予定する南砺市発足後、旧利賀村の大字の前に「利賀村」と付けることを決めた。ほかの7町村では付けず、一部地域以外の地名に旧町村名は残らない。

 例えば、現在の利賀村坂上は「南砺市利賀村坂上」、利賀村利賀は「南砺市利賀村」となる。ほかは旧町村名を付けず、井波町井波は「南砺市井波」、井波町高瀬は「南砺市高瀬」などとなる。同じ大字が異なる町村にあるケースは、旧町村名や東、西などを付けて区別する。井波、福野の両町にまたがる軸屋は、「南砺市井波軸屋」「南砺市福野軸屋」など。

 会合では、旧町村に平成27年度末まで設置する地域審議会の取り扱いなど7件を決定した。

 新たに提案されたのは新市建設計画(その2)など7件。同計画は財政計画の基になるため、2カ月かけて慎重に話し合う。8町村にある各消防団は合併時に「南砺市消防団」に統合、8つの方面団を置くと提案した。

「利賀村」世界で通用 演劇関係者の声反映
 南砺市を構成する8町村の中で、利賀村だけは旧自治体名を字名として区域一帯に残し、ほかの町村は一部では残るが、区域全体としては残さないことになった。利賀村は、演劇関係者らを中心とする村名存続への強い声を反映させた。

 各自治体は、新市の一体感のため、合併後に旧町村名を残さないとの基本方針で住民の意見を集約してきた。事情を説明した米沢利賀村長は「(村活性化に尽くしてきた)演劇関係者らの間で『利賀村』というブランド名への思いがある。(他町村に対し)心苦しいが、強い意見があり決定した」と理解を求めた。

 村役場へは全国の演劇・利賀ファンらから「海外でトガビレッジ(英語で利賀村)として知られており、利賀村の名を残してほしい」などといった手紙やファクスが多数寄せられていた。

 清都会長は「地域の事情があれば、名前を残しても構わないという方向で議論してきた。気持ちよく力を合わせ、南砺市をつくりましょう」と述べた。協議会委員の黒野県市町村課長は「字名に『村』と付けるのは一般的でないが、住民の総意があれば制約はない。あくまで字名の一部で、自治体としての『村』とは関係ない」と説明した。

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