南砺市を構成する8町村の中で、利賀村だけは旧自治体名を字名として区域一帯に残し、ほかの町村は一部では残るが、区域全体としては残さないことになった。利賀村は、演劇関係者らを中心とする村名存続への強い声を反映させた。
各自治体は、新市の一体感のため、合併後に旧町村名を残さないとの基本方針で住民の意見を集約してきた。事情を説明した米沢利賀村長は「(村活性化に尽くしてきた)演劇関係者らの間で『利賀村』というブランド名への思いがある。(他町村に対し)心苦しいが、強い意見があり決定した」と理解を求めた。
村役場へは全国の演劇・利賀ファンらから「海外でトガビレッジ(英語で利賀村)として知られており、利賀村の名を残してほしい」などといった手紙やファクスが多数寄せられていた。
清都会長は「地域の事情があれば、名前を残しても構わないという方向で議論してきた。気持ちよく力を合わせ、南砺市をつくりましょう」と述べた。協議会委員の黒野県市町村課長は「字名に『村』と付けるのは一般的でないが、住民の総意があれば制約はない。あくまで字名の一部で、自治体としての『村』とは関係ない」と説明した。
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