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1.県都の思惑 2002.09.03 目次 次へ
大同団結で政令市を
 「これで第一歩を踏み出せる」。石田富山市助役は2日、提唱する富山広域圏自治体での助役会議に全11市町村の参加が決まったことを受け、安どの表情を見せた。

 森富山市長が合併について言及したのは6月定例市議会。「広範な地域による大同団結」の考えを示し、いったん近隣市町村の出方を待った。

 しかし、具体的な動きは出てこない。市には「このまま無為無策で時間を費やすうちに、特例法の期限が迫ってしまう」と危機感が募った。打ち出したのが助役会議だった。

 一連の要請では「自治体同士で情報交換し、合併の枠組みを含めて協議する場。途中で抜けてもいい」と説明。石田助役は「スタートラインでどこかが欠けるのは避けたかった」と話し、できる限り広域圏11市町村の枠を崩したくない、との思いをにじませた。
 人口拡散防止へ
富山広域圏での助役会議を呼び掛ける富山市の石田助役(右)。参加する11市町村の思惑はさまざま=8月27日、舟橋村役場

 富山市の合併構想には、市が抱える人口拡散の問題が横たわっている。富山、高岡市など3市4町1村の土地利用を定めた富山高岡広域都市計画では、富山市郊外のほとんどが市街化調整区域。昭和63年に計画から除外された舟橋村など、計画区域を外れた市外に住宅を構える傾向が強まった。

 北陸地方では新潟、金沢両市が政令指定都市を視野に入れた合併構想を進めている。北陸新幹線の開業は10年後。森市長は「新幹線で逆に他都市に人口が吸い取られ、埋没する事態は避けなければならない」と力を込める。

 「そのためには市町村の枠を取り払い、新しいまちづくりを進めることが必要だ」。富山市の合併論の背景には、富山地域が一つの都市になって都市間競争力を高め、生き残りを図る狙いがある。

 枠組みは白紙

 「合併の方式は新設、編入のどちらを考えているのか」「いつまでに枠組みを決めるつもりか」富山市の参加要請に対し、各自治体の助役らはさまざまな質問をぶつけた。

 石田助役は「いつ、どの自治体と合併するかという枠組みも、新設か編入かの方式も白紙。会議がどう展開するかは読み切れない」と説明。富山市が音頭をとったものの、あくまで具体的な検討はこれからであることを強調した。

 呼び掛けられた側の思惑もさまざまだ。立山町の青木助役は「よその自治体も参加するので、1回目は出席する」と言葉を選ぶ。滑川市、舟橋村など他の市町村も「あくまでも情報交換の場として参加する」と慎重な姿勢を崩していない。

 富山市が掲げる「大同団結」の論理は受け入れられるのか。それぞれの自治体の思惑が絡み合いながら、今はまだ見えない「合併の姿」が描かれることになる。