舟橋村は面積では3.47平方キロと県内で最も小さい自治体だが、県都富山市に接し、立地条件に恵まれている。保育料など他の自治体より安い住民サービスを「売り物」にし、交流人口だけでなく、定着人口を呼び込むのも難しくはない。
「どうも誤解されがちだ」。金森勝雄助役は苦り切った表情で、「合併しない」と表明した松田秀雄村長の真意を代弁する。「舟橋という名の故郷を無くしたくないという愛村の情は確かに大きいが、合併しないと決めたのは、情緒的な問題だけではないんです」
民間の宅地開発が進み、平成22年には1千人増の3500人まで人口が伸びると踏んでいる。広い山間部を抱える町村に比べ、小学校区並みのエリアは財政負担が小さく、大規模災害もない。上下水道や道路といったインフラは整備され、ごみ処理や介護保険なども広域圏でまかなっている。当面の課題は小学校の建設や中学校の増改築ぐらいだ。
「国も財政難だ。地方交付税が何割か減額されるのは覚悟している。だが無駄な投資をせず、必要な事業から優先順位を決めて実施すればいい。収支バランスをとれば、やっていけるんですよ」と金森助役。大きな自治体とは違い、地区ごとの陳情や議員の圧力がなく、効率的に予算を組めるのも村の強みだ。「家庭的なぬくもりのある行政を捨ててまで、合併しようとは思わない。うちも勝ち残りをかけていますから」と強調する。
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