西尾私案では合併特例法の期限が切れる平成17年4月以降、財政的な優遇策を取りやめ、「解消すべき自治体の人口規模」を示して合併を強力に進めていく。「アメ」をやめて「ムチ」を強める提案ともいえた。
それでも合併しない小さな市町村は、そのままでは生き残る道がない。選択肢の一つは「事務配分特例方式」。小さな市町村の事務を窓口サービスなど一部に限り、都道府県が他の事務処理を行う。もう一つの「内部団体移行方式」は、隣接する自治体に編入し、組織を簡素化するという案。国から地方へ税財源を移して分権を進め、自治体の担う仕事が増えると、小さな市町村では荷が重いという考えが背景にある。これには全国町村会などが猛反発した。
自民党プロジェクトチームは既に「1万人」の線で、解消すべき市町村の規模を例示している。黒川村では首長らの不満の声が続き、湯沢町の村山隆征町長は「うちは9千人だが、観光資源に恵まれている。住民がよく考え、合併しないと決めた。なぜ悪者扱いされるのか」と迫った。
西尾副会長は首長らに尋ねた。「政府与党からは『小規模町村をどう扱うのか考えろ』と言われる。だが小規模町村の定義もなく、無理な話だと思う。せめて努力目標として、人口規模を示すこともやってはいけないのか」。その言葉からは、分権を掲げる旗手の戸惑いが伝わってきた。
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