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■だが、財政危機に対処するには、合併も有効な手段と言われている。
いや、財政危機を突破するには景気回復しかありませんね。国民の個人貯蓄は、1,400兆円もある。日本経済は循環していないだけです。個人消費を拡大するには、安心してお金を使える社会にすればいい。社会保障を中心に、しっかりした公共政策が欠かせません。福祉など身近なサービスを行う市町村が、きめ細かいプログラムを組む必要があります。だが合併で職員を減らせば、きめ細かさは失われます。
それに「雇用拡大」が、この国の大きな課題です。特に小さな町村では、役所が最も安定した雇用力を持っている。こんな時期に、職員を減らしていく政策が果たしていいのかどうか。
■合併後の市には財政的な優遇措置もある。
市町村が期待している合併特例債は、借金でしかない。後々の交付税負担で財源を保障するといいますが、国にはそんな力はありません。ただし財政支援が終わると、合併した自治体に配る地方交付税は、合併しなかった場合より減額される。それを、前倒しして支払うだけのことです。
■市町村は、何をなすべきだと思うか。
どんな将来像を描くのか真剣に考えてほしい。住民の生活の保障、働く場の確保など自治体が抱えている課題は多い。例えば児童虐待など、子育ての悩みは深刻化しています。今後増え続ける高齢者にしても、歩いて暮らせる範囲での街づくりが不可欠なんです。環境問題、産業の振興…。合併を進めて、これらの課題に対処できるのか。
また、人の少ない山村は合併の標的になっていますが、農林業はもともと広大な面積が必要ですから、人口密度が低いに決まっています。こうした地域から自治体の単位をなくしてしまうと、国土計画や食糧計画にとっても、食糧自給率を下げてしまうなど深刻な問題を招きかねません。
誤った選択をしないためにも、焦らず時間をかけて議論を深めたい。住民レベルの議論になっているかどうか、見つめ直すべきでしょうね。
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