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5町の合併は、住民発議でスタートした。10年に青年会議所などが署名運動を展開し、郡内8町の議会に合併協議会の設置を求めた。「町より市の方がイメージがいい」という発想からだった。
発議は、地形上の中心地になれないことを嫌う志度、長尾両町議会に否決されたものの、その後両町議会はあらためて合併推進を決議。12年春、高松市寄りの5町で合併協議会を立ち上げた。「景気低迷や少子高齢化から、財政基盤の強化が必要との共通認識があった」と小西氏は振り返る。
7年に誕生した東京都あきる野市などを参考に、合併協議はスムーズに進んだ。最難関の市役所の位置は、5町の役場で最も新しく、規模も大きい志度町庁舎を「当面の仮庁舎」とし、正式決定は将来にゆだねるという「玉虫色」の結論に軟着陸させた。新市の名称は、どの町名も使わず、香川の旧国名にちなむ「さぬき市」で一致した。
庁舎位置に関しては「難題を先送りした」との批判もあったが、市合併プロジェクト室の十河信二課長補佐(47)は「住民感情を考えれば、新庁舎建設など許されるはずがない。そんな事情も奏功した」と分析する。
ところが、大詰めで急ブレーキがかかった。「大した問題でない」(小西氏)と踏んでいた水道料の設定や財産の扱いをめぐり、合併が危ぶまれる局面が続いた。
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水道料は、各町の水源が異なるため、一般家庭用20立方メートル当たりの1カ月の料金は一番安い津田町が2,290円、最も高い大川町は3,460円で、およそ1.5倍の開きがあった。
合併の金科玉条とされる「サービスは高く、負担は低い方へ」の標語に従えば、合併に伴う特別交付税が配分されても、すぐに財政悪化を招いてしまうと判断。負担増となる津田町民の反発を覚悟で、ほぼ平均となる2,670円とした。
各町の貯金にあたる「財政調整基金」の扱いも難航した。最も多い志度の約7億6,000万円に対し、大川は約8,000万円。旧志度町議会は「体力差」への警戒心から、各町長に合併協定書とは別の「第二協定書」を締結するよう迫った。合併後10年間、旧町の持ち込み財源はそれぞれの町の事業に充てる|との内容だった。「地域エゴの最たるもの」と知りながら、妥協するしかなかった。
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| 5町が合併し、14年4月に誕生した香川県さぬき市の庁舎。旧志度町役場を「当面の仮庁舎」とした |
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