他の町村議会でも同じやり取りがあり、首長たちは「地域審議会に、ある程度の権限を持たせたい」と強調した。合併後の議員数は、8町村で現在活動する議員の3分の1にまで減る。何とか手を打たなければ、という思いは同じだった。
「だが、よく分からないんですよ。中央の動きがね」。8町村のある首長はこぼす。
合併特例法にある制度と、首長たちの発言には微妙な違いがある。「権限を与えることは法的にできず、あくまで意見を述べる機関」というのが総務省の説明だ。8町村は特例法が定める「地域審議会」よりも発展させた機関を考えている。
だが地域審議会は、言葉だけが1人歩きしているような存在だ。設置したのは、まだ全国に5市町しかない。そのうち4市町は4月に合併し、動き出したばかり。「全国第1号」の岩手県大船渡市にしても、平成13年11月、今からわずか1年半前に地域審議会をスタートさせている。
人口3万7千人の大船渡市が、8,500人の三陸町を編入合併した。地域審議会は旧三陸町に置き、委員は公募3人、自治体職員5人、学識経験者7人の計15人。設置は10年間に限り、合併前につくった新市建設計画などについて審議する。ところが、これまで話し合ったのは「基金」の使い方だけ。本来審議すべき建設計画について諮問はない。道路整備など計画に盛り込まれた事業の年次ごとの優先順位が決まっていないためだ。
「初めは大きな権限を持つと思っていたが、ふたを開ければこのありさまだ。われわれの役目は何なのか」と、会長を務める綾里(りょうり)漁業協同組合長の佐々木昭夫さん(66)。「おまけに行政が優先順位を決めてしまえば、審議会の意味だってない。受け身の存在ですよ」
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