県内で昭和の合併が完結してから37年。当時を鮮明に記憶する人は少なく、「正直、戸惑いはありますね」「これから本当に合併するのか、まだ半信半疑です」と打ち明ける委員もいる。
かつて主流だった編入合併とは違い、新設合併は旧自治体をすべて解消して新しい自治体をつくり直す。話し合う内容は当然、膨大な量になる。射水地区初会合の終了間際。田所稔大門町長は、ようやく協議のテーブルについた小杉町への配慮をにじませながら「せっかく始まった協議です。課題が多いときは、会合を月に2度でも3度でも開くような、積極的な姿勢でお願いします」と事務局に注文をつけた。
26日には、黒部市など1市3町が法定協を発足させ、合併を目指す県内5つの地域すべてで協議が本格始動した。いずれの地域も合併方式は「新設」。だが、全国的に話し合いが難航しがちな「新市の名称」や「庁舎をどこに置くか」など協議はこれから正念場を迎える。税や公共料金の調整など話し合う中身は一つひとつが重く、新市の将来に直結していく。
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