|
真剣な眼差しを向ける大石町長たちを前に、職員は慣れた様子でよどみなく、合併の背景やポイントを語り続けた。
この地域は面積約380平方キロメートル、富山、高岡両市を合わせたくらいの広さだ。もともと同じ篠山藩で、政治、経済的にも強いつながりがあった。明治の1町18村から、昭和50年までに旧4町に再編したが、実はその間にも「全域合併」を目指した協議を5回行っていた。そのいずれもが挫折した。新市の名称や庁舎位置、基金など財産の扱いについて、旧町の意見がかみ合わなかったからだ。「平成の大合併」のトップランナー篠山市も過去、苦い経験を繰り返してきた。
合併への動きは議会サイドから高まり、平成8年には合併研究会が発足した。JR線の複線化に伴う駅前整備など広域的な課題が増えていたのだと、職員は背景を語る。「6回目の失敗は避けたかった。難しい問題から最初に解決していくことになったんですよ」
|