総務課長が、職員から上がってきた決裁文書に目を通す。「文書」といっても、視線の先には紙の束ではなく、パソコン画面がある。内容を読み終えると、画面に表示された確認ボタンをクリック。「見ました」というはんこ代わりになる。福光町役場の仕事風景だ。
町は平成11年、県内でいち早く「電子決裁」を実現させた。まずは財務会計システムを稼働させ、休暇届や出張命令書などを処理。昨年は稟議(りんぎ)書などの文書管理に手を広げた。ここまでやる自治体は全国でも少ない。
以前は年に4万2千枚もの伝票が、庁内を飛び交っていた。たまった伝票はバインダーにとじていたが、整理して保管する場所が必要だった。
電子決裁で、紙の経費を切り詰めた。文書整理専門職を廃止し、人員配置を見直すことで、この4年の間に職員数は8人も減った。町企画情報課の市川孝弘情報係長は誇らしげに説明する。「人の行き来が減りますからね。人員配置がより的確になるんですよ」
町のIT化はそれだけではない。図書館や健康増進センターなど各施設と役場は、光ファイバーで結ばれている。各事務所には小型カメラとマイクを備えたパソコンがあり、職員同士が画面を通して会話できる。
「文字通り、顔の見える行政サービスも可能です」と市川係長。インターネットを活用しているため、機器を持つ住民がその気になれば、職員の顔を見ながら問い合わせもできるのだという。
砺波地域8町村の目指す姿が、福光町にある。
|