ヤマ場は、法定協議会が終盤に入った12年の夏。前例のない試みに踏み切った。18歳以上の14万9,000人を対象にした投票形式の「市民意向調査」だ。設問は3つ。
「合併の賛否」を問う設問は、反対が上回れば協議を白紙撤回するというものだった。事実上の住民投票といえた。2つ目は「新市の名称」。全国公募で集まった3,090通りの名称案から協議会で5つの候補に絞り、最終決定を市民の選択にゆだねた。さらに「力を入れてほしい施策」を、この調査で尋ねた。
市民は投開票にも立ち会った。透明性を高めるためだ。「立会人に400人を公募したら800人も集まりましてね。結局、抽選でした」と大村副参与。はた目には楽しそうに見えるが、法定協議会を議会中も毎月2回のペースで開くなど「きつかった」と振り返る。
県内で進む合併協議と西東京市の手法は、まったく異なる。大村副参与は「合併協議は、わがまちにとって合併するのが良いか、悪いかを話し合う場。そのプロセスを公開し、最終局面で市民の判断を仰ぎました」と言う。行政だけで進めると、住民が市の将来に責任を持たなくなり、それこそ「禍根を残してしまう」という考え方だ。
地域主権型社会の勉強会を呼び掛けた黒部JCは、そこで出た意見を生かして黒部市と宇奈月、入善、朝日各町の「20年後のグランドデザイン」づくりに取り組む。
「地域の将来を模型で表現できないか」「理論武装する必要もある」
深夜、黒部JCの事務所ではメンバーが討論を交わしていた。上田芳正理事長は「今の合併は行政主導で、行革ばかり強調される。将来、住んで良かったと思えるビジョンを私たちの手で提案したい」と力を込める。地域のあり方を考えたいと望む住民の声は、決して小さくない。
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