NPOは年々、その活動の領域を広げている。介護や福祉だけにとどまらず、まちづくりに取り組む団体も珍しくない。10年のNPO法施行で法人格の取得が認められ、社会的認知が進んだ。「このゆび−」も県内のトップを切って取得した。
その背景には、行政ニーズが多様化する一方で、財政難にあえぐ自治体だけでは対応しきれなくなっていることがある。NPOが地域自治の一翼を担えば、コストはぐっと下がり、行政への住民参画を促すことにつながる。「平成の大合併」後の地方自治のあり方を検討している政府の諮問機関「地方制度調査会」は、4月にまとめた中間報告で「住民サービスの担い手は行政だけでなく、NPOなどとの『協働』を目指すべきだ」としている。
だが、NPOと行政の役割分担や支援体制など、どの市町村にも明確な指針は存在しない。NPOの活動の歴史が浅いうえ、日本の行政は生活に身近なサービスを一手に担ってきた経緯がある。どのように「協働」すればいいのか。答えは見つかっておらず、自治体の巨大化で「従来以上に職員の縦割り意識が強まる」との指摘もある。
惣万さんは最近、看護師時代に心に刻んだ「あすの100人を救うのではなく、きょうの1人を救え」という赤十字精神の言葉を思い出すことがある。「NPOの役割が『きょうの1人』を救うことなら、行政は『あすの100人』を救うことに違いない」と感じている。
どちらの目的も人を救うことにかわりはない。両者の連携のあり方や役割分担がおのずと鮮明になってくると信じている。
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