富山県内の市町村合併 ホーム > 市町村合併 > 町・村 名前は残るか
町・村 名前は残るかー合併・とやまの課題 連載目次 前へ 次へ

4. 宇奈月温泉 2003.11.11

 今年開湯80周年を迎えた宇奈月温泉。ホテルや旅館、土産店が並ぶ県内随一の温泉街の住所はすべて「宇奈月町○番地」。大字がなく、このまま合併を迎えると「○市○番地」と字名のない地域になる可能性もある。

 宇奈月温泉旅館協同組合の小柳信夫理事長は「長年ここで生まれ育ったものとして、この際『宇奈月温泉』『宇奈月』などの字名を付けてもらいたい」と話す。

字名を付ける好機 住民アンケート実施も

 現在の宇奈月町は昭和29年、内山、愛本、東山の3村が合併して誕生。当時の内山村は、温泉旅館が並ぶ宇奈月地区と、村役場が置かれていた内山地区に分かれており大字を付けてもよい状態だったが、両地区の境界が決まっていなかったこともあり見送られた。

 内山地区自治振興会長の山形菊悦さん(74)は「過去のいきさつはあったにしても、現在内山に住むものとしては『内山』の名は残したいし、両地区の間のどこかの谷で線を引かなければならないだろう」と話す。

 宇奈月町と黒部、入善、朝日の1市3町の合併協議会は7月、字名がない宇奈月町の一部と「入善町舟見」「宇奈月町舟見」など字名が重複する地区について、新市の名称決定後、各市町で調整することを決定。ただ新市名は「黒部川」「黒部」「新川」の3案から1つを選ぶことができず、12月の協議会まで決定が先送りされている。

大字のない宇奈月温泉街
大字のない宇奈月温泉街。合併を機に、字名を付けることも検討される=宇奈月町

 このため町は字名について各地区の振興会長に既に打診し、振興会では検討を始めようとしている。宇奈月地区自治振興会長の魚津成昭さん(72)は「温泉街には小字で『桃原』などがあるが、『宇奈月』という地名はない。全国で宇奈月温泉をPRするためにも、アンケートするなどして字名を決めたい」と語る。

 ただ「○市宇奈月町浦山」など字名の上に「宇奈月町」を残す選択肢もあり、中谷町長は「議会や振興会と相談しながら来年6月ぐらいまでに決めたい」と話し、場合によっては住民アンケートも考えている。

 新しい市は、黒部峡谷など豊かな自然を生かした観光と、2つの公的病院を持つ福祉のまちづくりを目指している。宇奈月温泉が名実ともに観光の核となるために、字名の新設に期待が高まっている。


(C) 北日本新聞社 記事・写真の転載を禁じます
The Kitanippon Press, All Rights Reserved